かご型シルセスキオキサンとシロキサン鎖からなる分子ネックレスポリマーを用いたホットメルト接着挙動の解明を目指した研究を行った。 無溶媒で利用可能な可逆ホットメルト接着や、反応性ホットメルト接着のための透明ポリマー構造の最適化を検討した。かご間鎖長を制御することで、自由にガラス転移温度を変化させ、接着温度を変化させうることを確認した。 かご型シルセスキオキサンの放射状に伸びたフェニル基がアンカーのように表面のサブナノスケールの凹凸に追随することで、強力なファンデルワールス力に基づく接着力を発揮していることを明らかにした。 またかご型シルセスキオキサン構造だけではなく、嵩高いかごユニット間をつないでいる柔らかいシロキサン鎖による分子ネックレス構造が良好な濡れ特性につながっていることやナノスケールでゴム弾性を発現し良好な接着特性につながっていることを明らかにした。 さらに、様々な熱硬化(架橋)ネックレスポリマーを新たに開発し、熱硬化後も、ファンデルワールス接着特性が維持されていることを明らかにした。
|