研究課題/領域番号 |
19H02456
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
小林 正和 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20378243)
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研究分担者 |
三浦 博己 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30219589)
青葉 知弥 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (50757143)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 結晶組織 / 局所塑性ひずみ / 集合組織 / 圧延 / 引張 / 三次元 |
研究実績の概要 |
マグネシウム添加量を変化させたアルミニウム合金の内部局所塑性ひずみの発展を,集合組織発達が顕著となる70%圧延から段階的に圧下率5%程度を加えて圧延し,放射光トモグラフィーでデータ取得した。三次元画像に再構成したトモグラフィー画像から局所ひずみ分布を得る解析を進めている。圧下率が大きくなるとかなり,試験片の場所によって想定以上にかなり不均一に変形が入り,これが解析を困難にすることが分かった。局所ひずみ解析は不可能ではないが,時間を要する。これとは別に,再結晶させたアルミニウム-銅合金を用いて,ラボ回折コントラストトモグラフィー(LabDCT)装置による三次元結晶組織の撮像と,その場引張試験を行った。これにより,本研究で用いている局所ひずみ分布手法の計測精度を検証するとともに,局所的なひずみ集中がどのような結晶組織要因によって生じているかを解析した。本研究で用いている局所ひずみ分布手法の計測精度について,国際会議発表できるようにデータ整理を行い,プロシーディング原稿の準備を進めた。局所ひずみ集中の要因については,手始めに,得られた結晶組織の結晶粒径や粒子径などの統計的情報の整理,試験片全体の有限要素解析を行い試験片形状による変形影響の把握といった解析の前提条件を明らかにし,結晶粒径やシュミット因子などに着目して実施した。結果の詳述はできないが,現在のところ,試験片の内部結晶粒と表面にある結晶粒での変形量の違いなどが得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
解析対象となるCTデータの取得が完了した。順調に進んでいると言える。一方で,そのデータの初期解析より,局所ひずみ解析が想定よりも難しい状況であることが分かった。しかしながら,解析ができないわけではないので,大きな問題とは考えていない。今年度は,予定外に海外の共同研究先のLabDCTを利用して,圧延の他に,三次元結晶粒組織とその場引張試験の局所ひずみ分布を得る機会が得られた。これを利用して,局所ひずみの計測精度および結晶組織の局所ひずみへの影響などの基礎的なデータを明らかにすることとした。これらの基礎的な結果は圧延材の解析結果に先んじて公表できるようにすることとした。
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今後の研究の推進方策 |
海外共同研究先と1か月に一度程度のwebミーティングにより,進捗報告・意見交換を続け,その場引張の局所ひずみ解析の基礎的な結果を速やかに論文等で公表する予定で進んでいる。その間に,時間を要する圧延材の局所ひずみ解析を粛々と進める。測定結果の検証,変形メカニズムを議論するために,シミュレーション解析の準備を行っていく。実験材料の組織や変形組織など,確認の必要のある事項についても追実験にて取得を進めていく。
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