研究課題
基盤研究(B)
高純度アルミニウムおよび各種アルミニウム合金を新規な電解質水溶液に浸漬してアノード酸化することにより生成するアノード酸化皮膜の形成挙動を検討した。アノード酸化における酸化物の構造変化を高分解能電子顕微鏡観察により議論し、酸化物のナノ構造をアノード酸化条件によって精緻に制御した。エチドロン酸やピロリン酸、四ホウ酸ナトリウムなどの電解質によってアノード酸化することにより得られた酸化皮膜形成アルミニウム材料は、高い耐食性をもつことがわかった。
材料表面科学、電気化学
本研究の遂行により得られたナノ構造制御型のポーラス型アノード酸化皮膜をアルミニウムおよびその合金表面に形成することにより、従来のアルマイト皮膜形成アルミニウムの耐食性を上回る、極めて高い耐食性をもつ新規なアルミニウム材料として応用することが期待できる。このようなアルミニウム材料は、メンテナンス期間の長い、またはメンテナンスフリーの金属材料として、持続可能な社会の発展に資すると予想される。