研究課題/領域番号 |
19H02476
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古島 剛 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30444938)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マグネシウム合金管 / ダイレス引抜き / その場観察 / 結晶組織制御 |
研究実績の概要 |
本研究では「非一様場」における塑性変形現象に着目し,非一様な温度場・ひずみ速度場・ひずみ場によって誘発される新たな塑性加工法+双晶誘起の結晶組織制御法の開発を行うものである.今年度は,非一様な温度場・ひずみ速度場・ひずみ場を作り出し,塑性変形と結晶組織変化を連続的に観察するための手法を開発した.超局所加熱が可能な熱源として既設の最大出力120Wの半導体レーザおよび出力10kWの高周波誘導加熱を用い,非一様な温度場を試験片に与える.結晶組織変化と微視的な塑性変形を観察するためのレーザ測定機およびサーモグラフィを用いた.ひずみ分布,ひずみ速度分布はデジタル画像相関法を用いて計測する.このようにして意図的に作り出した非一様場の温度・ひずみ・ひずみ速度を同時に計測し,かつ結晶組織の変化を計測できるその場観察装置の開発と簡単な実験による性能評価を実施した.また既存ダイレス引抜き設備を用いた結晶組織に及ぼす引抜き条件の予備的検討を行い,設定できる範囲の温度,引抜き速度の条件で実験を行い,途中止めをして変形部の結晶組織の変化を観察した.その結果,様々なひずみ,ひずみ速度,温度条件下でのダイレス引抜きの基礎的な特性を明らかにすることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非一様な温度場・ひずみ速度場・ひずみ場を作り出し,塑性変形と結晶組織変化を連続的に観察するための手法を開発し,また既存ダイレス引抜き設備による温度,引抜き速度の条件で実験を行い,途中止めをして変形部の結晶組織の変化を観察しており,おおむね順調に進展した.
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今後の研究の推進方策 |
開発したその場観察装置を用いてMg合金として純Mg, AZ31, ZM21合金を使った基礎的な実験を行う.また開発した観察装置を用いた実験により非一様な温度場・ひずみ速度場・ひずみ場における塑性変形と双晶の形成に伴う結晶組織制御法の提案を行う.改良した高速度ダイレス引抜き装置に得られた知見をフィードバックし,双晶誘起の組織制御法による微細結晶粒を有するMg合金極細管の効率的な創製を行う.また創製したMg合金極細管の機械的性質と分解特性評価を行い,Mg合金の高性能化の指針を明らかにする.
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