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2020 年度 実績報告書

有機王水を用いた黄銅鉱の湿式精錬プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19H02488
研究機関千葉大学

研究代表者

松野 泰也  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50358032)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード有機王水 / ジメチルスルフォキシド / 塩化銅 / 黄銅鉱 / パイライト
研究実績の概要

本研究は、半世紀にわたり課題となっている、湿式法による黄銅鉱(CuFeS2)からの銅の精錬を、提案者が開発した有機王水を用いる精錬プロセスを開発することで達成することを目的にする。初年度は、有機王水中において不働態が形成されることなく黄銅鉱が溶解するメカニズムを検討するとともに、有機王水を用いた黄銅鉱の湿式法精錬プロセスの最適操作条件を検討した。有機王水を用いた場合、4時間の浸出時間、浸出温度が100℃にて最大の溶解率になること等を見出した。
本年度は、主として黄銅鉱を含有する銅精鉱を用い、有機王水による上記の最適条件における浸出実験を実施し、Au等の貴金属、およびAsなどの不純物の溶解性について調べた。黄銅鉱と残渣に対してICP発光分析を行い、各種金属の含有量を測定した。さらに、残渣をXRDにて測定し各種元素がどのような組成で含まれているか確認した。
その結果、有機王水による黄銅鉱の浸出では、貴金属であるAuは溶解するものの、ペナルティ元素であるAsは残渣に残る特長を見出すことができた。またXRD測定や顕微鏡による観察により、残渣にはパイライト(FeS2)が主成分として残っていることが分かり、経済的価値の小さい成分が残渣に残ることも分かった。
さらには、黄銅鉱を溶解した溶液を、定電位電解装置を用い電解を行い、電解析出させることに成功した。これにより、有機王水は繰り返し使用可能なサイクルプロセスとなりえることを実証できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画に従い概ね進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

有機王水を用いた黄銅鉱精錬プロセスの経済性・環境性評価を行う。さらには、他の鉱石(閃亜鉛鉱、硫鉄ニッケル鉱など)への適用を検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Chalcopyrite leaching in a dimethyl sulfoxide solution containing copper chloride2021

    • 著者名/発表者名
      Kota Takatori, Hidekazu Kato, Akihiro Yoshimura and Yasunari Matsuno
    • 雑誌名

      Mining, Metallurgy & Exploration

      巻: 38 ページ: 1477-1485

    • DOI

      10.1007/s42461-021-00400-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Chalcopyrite leaching in organic aqua regius and recovery of copper by solvent extraction2021

    • 著者名/発表者名
      Shunya Fujisaki, Akihiro Yoshimura, Yasunari Matsuno
    • 学会等名
      Going Green EcoDesign 2021
    • 国際学会
  • [備考] 有機王水を用いた湿式製錬システムの開発

    • URL

      https://chem.tf.chiba-u.jp/gacb19/research.html

  • [産業財産権] ニッケル及び/又はコバルトの回収方法2021

    • 発明者名
      松野泰也、吉村彰大、浅野聡
    • 権利者名
      松野泰也、吉村彰大、浅野聡
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2021-119913

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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