研究課題
基盤研究(B)
本研究では、電気化学的手法による触媒電位の制御を行い、CO酸化反応を用いて従来の熱触媒反応(開回路条件)よりも触媒性能を向上させることに成功した。適切な電位に触媒を制御すると熱反応によるCO2生成率は、開回路時の5倍以上、370%以上のFaradaic efficiencyに相当することが確認された。このようなCO酸化の非ファラデー的な性能向上は、Rh/CとIr/Cの異なる触媒で観察され、電気化学的な電位制御の普遍性を示すものであった。
触媒化学
持続可能な発展を実現するために、工業用触媒はより効率的なものに見直される必要がある。担持金属系触媒は、金属粒子と担体の相互作用を制御することで性能を大きく左右する。一般にこれらの相互作用は金属担体相互作用や、第三成分添加によるプロモーター効果は、触媒の性能向上につながる有効な方法である。本研究では、外部電位制御によって触媒のポテンシャルを変化させることで触媒反応速度向上に成功した。すなわち少ないエネルギー投入量で化学反応を加速する方法論を確立させたものである。