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2021 年度 実績報告書

迅速探索と機械学習を利用した単一B細胞からの機能抗体分子創生技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 19H02523
研究機関名古屋大学

研究代表者

中野 秀雄  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348)

研究分担者 ダムナニョヴィッチ ヤスミナ  名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (00754673)
兒島 孝明  名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (40509080)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードウサギモノクローナル抗体 / 機械学習 / 無細胞タンパク質合成系 / 膜タンパク質 / ヒトモノクローナル抗体 / SARS-Cov-2
研究実績の概要

申請者らが開発した、無細胞タンパク質合成系を用いてB細胞1個から迅速にモノクローナル抗体(Mab)を合成・選別できるEcobody技術を用い、ハイブリドーマ法 等の既存の方法では取得が困難な膜タンパク質の立体構造を認識するMabのスクリーニング技術を開発する。さらに得られた多数の配列と抗原との親和性および細 胞傷害活性とのデータを利用して、インフォマティクス解析と立体構造解析を行い、優れた抗体分子の創生スキームを構築することを目的に以下の実験を行っ た。
1)坑SARS-CoV-2 ヒトモノクローナル抗体を、COVID-19患者由来B細胞から複数取得し、その配列解析および特異性解析を行なった。その結果野生株特異的な抗体と、オミクロン株とに共通に結合する抗体を複数えることに成功した。2)機械学習による獲得抗体の高機能化:Ecobody法により取得した抗cAMP抗体の配列情報を基に、H鎖、L鎖におけるそれぞれ3か所のCDRのアミノ酸情報をアミノ 酸パラメータにより数値化し、説明変数、抗原結合能を目的変数として、教師あり機械学習アルゴリズム5種類で結合活性予測モデルを構築した。得られたモデルによる高い結合活性が予測された抗体を合成し、その評価を行ったところ、cAMP-BSA複合体に対する活性は見られたものの、cAMPを用いた拮抗阻害活性評価では、顕著な活性は検出されなかった。このことは元にした抗体がcAMP部分を単独では認識していないことを示唆している。
3) Fabの大量合成手法の開発:大腸菌の分泌発現系を用いて、Fab抗体として分泌発現を試みた。その結果培養上清を用いてELISAおよびウェスタンブッティングにより、活性Fabのペリプラズム分泌を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

抗体配列の機械学習の研究において、使用した抗体が、cAMPだけでなくハプテン部分も結合していたため、本手法を用いることで、有用な抗体取得には至っていない。

今後の研究の推進方策

抗SARS-Cov-2ヒト抗体の取得には成功した他、他のモノクローナル抗体も多数取得しており、より結合が特異的な抗体配列セットを用いて、これまでに確立した機械学習手法を用いて、研究を推進する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] 無細胞タンパク質合成系を用いたCOVID-19感染患者由来単一B細胞からの抗SARS-CoV-2 Spikeヒトモノクローナル抗体の取得2022

    • 著者名/発表者名
      木原もなみ,兒島孝明,長谷哲成,上田宏,中野秀雄
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
  • [学会発表] 抗体エンジニアリングのためのバイオインフォマティクス2022

    • 著者名/発表者名
      山本秀男,中野秀雄,兒島孝明,上田宏
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
  • [学会発表] Development of a method for obtaining rabbit monoclonal antibodies using DNA immunization2021

    • 著者名/発表者名
      Monami KIHARA, Daffa Sean ADINEGORO, Takaaki KOJIMA, Hideo NAKANO
    • 学会等名
      2021 Sakura-Bio Meeting
  • [学会発表] 腸内細菌結合抗体の探索.2021

    • 著者名/発表者名
      川喜田樹、金子将太、兒島孝明、鈴木徹、中野秀雄
    • 学会等名
      日本農芸化学会 中部支部第190回支部例会
  • [学会発表] 抗HTLV-1ヒトモノクローナル抗体のHTLV-1感染者血液からの探索2021

    • 著者名/発表者名
      岡澤歩夢, 木原もなみ, 田中勇悦, 福島卓也, 兒島孝明, 中野秀雄
    • 学会等名
      第73回日本生物工学会
  • [学会発表] 大腸菌再構成無細胞タンパク質合成系を用いたリボソームディスプレイによる抗体親和成熟技術の開発2021

    • 著者名/発表者名
      奥田理央, 伊藤玲奈, 兒島孝明, 中野秀雄
    • 学会等名
      第73回日本生物工学会

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公開日: 2022-12-28  

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