研究課題/領域番号 |
19H02524
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田丸 浩 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (50324554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 一本鎖抗体 / キンギョ / ゼブラフィッシュ / ファージディスプレイ / scFv |
研究実績の概要 |
キンギョ(スイホウガン)にTF-EGFPを抗原として、所定の方法で免疫を行った。すなわち、当研究室で飼育しているスイホウガン5個体にTF-EGFPを含む抗原液を水泡液中にインジェクションした。毎週3週間に渡って抗原液(100μg)をインジェクションした。なお、初回のみアジュバンドを付加し、2回目および3回目の追加免疫ではTF-EGFPのみをインジェクションした。抗原液のインジェクション量はいずれも0.1mLであり、サンプリング量は1.0mLであった。次に、免疫過程でサンプリングした水泡液中のmRNAを鋳型としてcDNAをPCRで合成し、得られたcDNAを鋳型としてscFvを合成した。その際、scFv重鎖可変領域ではscFv軽鎖可変領域とは異なり、Overlap PCR反応までに4回のPCR反応を行う必要であり、反応条件の検討がより複雑になっている。PCR反応で合成したcDNAは200μg/mLとなるように調製した。今回免疫したサンプルを既存の方法でPCRを行ったところ、免疫サンプルによってバンドがスメアになる、もしくはプライマーダイマーが発生し、反応が正常に起こらないことが判明した。その原因として、抗体遺伝子はGC含量の高い(65%超)DNAテンプレートであるため、G塩基とC塩基との間のより強い水素結合から、PCR増幅が困難となる場合があると考えられた。そこで、新たに反応系にDMSOを加えてPCR反応を行ったところ、安定したPCR反応が実行できた。今後はこの方法を使って、実験を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で2020年4月当初からほぼ半年間、学生出動が困難な状況であったため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ対策を万全にしつつ、研究を推進していきたい。すなわち、今年度確定できたPCR条件を用いて、キンギョ抗体からのscFv合成とファージディスプレイ法を中心に、scFvの基となるFab領域の網羅的解析およびキンギョ免疫法による抗体多様性の比較と実用化の検討を進める予定である。
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