研究課題
基盤研究(B)
本研究では、金属コアの周囲を取り囲む有機配位子からなる配位子環境に着目し、有機配位子のネットワーク化と金属コアの幾何・電子構造への影響に関する探索を実施した。その結果、配位子環境のごくわずかな変化が金属クラスターの光学特性に影響を与え得ることを実験・理論の双方の手法から明らかにした。また、適切な架橋配位子を用いることで金属コア構造を維持したまま金属クラスターによるネットワーク形成が行えることを示した。
クラスター化学
有機配位子保護金属クラスターは、コアの構造や核数などの僅かな違いが物性に大きな影響を及ぼす可能性があり、機能性ナノ材料の素材として近年注目が飛躍的に高まっている。金属コアを取り囲む配位子殻の設計・制御と有機配位子のネットワーク化を探索した本研究から配位子同士の協働的効果に関する多くのユニークかつ貴重な知見が得られており、今後の研究展開に向けて有機配位子保護金属クラスターにおける配位子の重要性を示すことが出来た。