現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は以下に示す結果を得ることに成功し、全て論文として発表した。得られた主な結果である赤外光照射によるグラフェンの電子温度の制御(3,5,6)と、それによる高感度な赤外光検出(3)は当初予定していた研究計画と一致するものであり、初年度の目標は達成されたと考えている。加えて本研究を遂行する過程で発生した素子作製手法(1,8,10)や材料研究の成果(2,4,7,9)も論文としてにすることができた。これらの結果は全て翌年度以降の研究計画に役立つ成果であり、予想以上に研究が進んでいると感じている。 (1)グラフェンヘテロ構造の新規作製方法を開発した。(2)グラフェンの基板として用いるh-BN結晶の不純物の起源を解明した。(3)グラフェン/MoS2構造を用いて高感度な赤外光検出を実現した。(4)ReN2という金属材料の物性を明らかにした。(5)光ネルンスト効果によるグラフェンのサイクロトロン共鳴の検出に成功した。(6)三層グラフェンのランダウ準位の特性を光起電力測定から明らかにした。(7)常圧合成したh-BNが高品質基板として活用できることを示した。(8)グラフェンヘテロ構造の作製手法に関するレビューを書いた。(9)超伝導/グラフェン界面の特性と電子温度の影響を調べた。(10)グラフェンの3次元構造を作製する手法を新規に開発した。
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