多くの材料において、熱は格子を伝達する。格子の熱伝導は制御が困難であり容易に拡散してしまう。炭素1原子層のグラフェンでは電子と格子の相互作用が小さいため、電子系のみを用いた格子を介さない熱伝達制御が可能である。本研究では1)グラフェンに電流を流した際の電子系の黒体輻射が非常に効率の良い輻射熱源であること、2)グラフェンの電子系の熱電効果が、感度の良い熱輻射検出器として利用可能であること、を実証した。これらの成果により、グラフェンは今後の熱エネルギー利用に向けて有用な材料であることが確かめられた。
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