研究課題
本研究の目的は「リザーバコンピューティング(RC)モデルを単電子デバイスに実装するための回路アーキテクチャの開発」をすることである。RCとは、近年注目を浴びているニューラルネットワーク(NN)モデルの一つである。最大の特徴は、リザーバと呼ばれる部分に含まれるニューロン間の接続や結合重みの設定法であり、一般的なNNでは十分に検討の必要があった設定・手法が不要になっている点である。究極的にはリザーバ部内のニューロン間配線はゼロでも構わないというのも回路アーキテクチャを考える際には大変魅力的である。よって、応募者のこれまでの「単電子回路+NN」研究の知見を活かしつつRCモデルを導入することで、単電子回路研究の課題である配線数の問題と学習(シナプス結合の荷重変更)、およびこれまでの雑音・ノイズ利用を包括した新しい単電子情報処理の仕組みが完成する可能性がある。本研究課題においては特に(i)リザーバコンピューティングモデルを基にどのように単電子回路化するのか、(ii) (i)の(配線数を抑制した)設計回路が雑音・ゆらぎ環境下で所望の動作をするか、(iii)動作した場合に、なぜ動作出来ているのかを説明できる理論の構築、(iv)学習機能の実装とそれが正常動作をするかの確認の4点について着目し研究を進めている。2023年度は前年度までに明らかにできた内容を踏まえつつ、総括的に(i)~(iv)において十分な検討に至っていない点の研究を進め、結果としてその実現可能性を見出した。本年度の研究成果については、査読付き英語論文を1報、査読付き国際会議発表を5件、国内学会発表を11件、セミナーにて1件の招待講演をするに至った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE
巻: 14 ページ: 547~558
10.1587/nolta.14.547
https://arrow.ynu.ac.jp/