研究課題
ナノフィブリル化バクテリアセルロース(NFBC)の表面にカルボキシメチル(CM)基を導入できる反応条件を決定した。置換度の異なる試料4~7について、その0.1wt%水分散液の透過度を測定した。置換度の上昇により、その透過度は上昇し、置換度0.091(7)でNFBC透過度と比較して、13~17%上昇した。NFBCに簡便なCM化処理を行うことで、繊維凝集することなく、表面水酸基をイオン化し、その透過度を改善できることが明らかになった。NFBC表層におけるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)グラフト化を達成した。得られたED-NFBCはCu(II)に対して最大吸着量169.5 mg/gと、EDTAをグラフト化したパルプ(96.15 mg/g)や微結晶セルロース(17.9 mg/g)と比較して非常に高い吸着能を示した。本材料は希薄な重金属イオンを短時間で除去可能な材料として、排水処理や有用金属資源の回収などへの応用が期待できる。NFBCをマクロ開始剤として無水コハク酸(SA)、ブチレンオキシド(BO)を開環重合することにより、これらの交互共重合体をグラフト化されたNFBCの調製に成功した。また、ポリブチレンサクシネート(PBS)への添加により、PBSにおける物性の改善が確認された。これまでに、親水性CM-NFBCあるいは両親媒性HP-NFBCを用いた新規PTX製剤(PTX/CM-NFBCあるいはPTX/HP-NFBC)の開発を行い、胃がん腹膜播種モデルマウスに対して高い治療効果を発揮することを明らかにしてきた。新たに調製したカルボキシメチルキチンを分散剤として調製したCMCh-NFBCを用い、腹膜播種治療を目的としたPTX保持担体としての有用性を評価した。PTX/CMCh-NFBCはTaxol®よりも高い延命効果を示したが、PTX/HP-NFBCよりも低い効果であった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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