走査型磁気力顕微鏡(MRFM)は,非接触非破壊で試料内部のスピン密度の三次元分布を得ることができる。本研究では、従来にはなかった常温常圧での微小試料内部の磁気共鳴分布をイメージング可能なMRFMを開発した。磁性球体を先端に有する高感度なSiナノワイヤー型磁力センサと画像処理に必要な応答関数を正確に定義することで、観測データ数が少なくても広範囲の電子スピン密度分布を高精度に画像化することを可能にした。さらに、応答関数にノイズパラメータを使用した波数空間での畳み込みを使用するフーリエ変換を用いることによって、3D画像化処理にかかる時間の短縮に成功し、常温常圧下でも高精度に画像化が可能となった。
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