本研究では、細胞の高精度操作を可能とするマイクロ流体技術と、高感度光検出・フロー制御の並列化を可能とするシリコン集積回路技術とを融合することで、体液中のがん細胞を検出・解析可能とするリキッドバイオプシープラットフォームの開発を目指す。具体的には、一光子レベルの検出が可能な半導体素子であるSPADを内蔵したシリコン集積回路チップを、マイクロ流体デバイスと統合することで、複数地点で同時並列にターゲット細胞を検出・分離することが可能な新概念の並列セルソーターを開発する。 今年度では、蛍光を一光子レベルで検出可能な半導体素子であるSingle Photon Avalanche Diode (SPAD)を内蔵したシリコン集積回路チップを、マイクロ流体デバイスと統合することで、複数地点で同時並列に蛍光検出を行うことにより、「線」ではなく「面」でのフローサイトメトリーが可能な新概念の2Dフローサイトメトリーを開発した。開発した2Dフローサイトメトリーを用いて検証実験を行った結果、CMOS基板上を流れる癌細胞からの蛍光信号を複数地点で同時並列に検出可能であることを確認した。
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