マイクロ流路を用いた均一なドロップレットが産業界で広く使われるようになってきたが,脂質二重膜でできた巨大脂質膜小胞(GUV)の系はその段階に至っていない.最大の要因は,均一なGUVを製造するのが困難なことである.本研究では,マイクロ流体工学を用いて簡便かつ高効率にナノ~ピコリットルサイズの巨大脂質膜小胞を区画とした均一なバイオリアクターを製造する方法を確立した.これを,タンパク質合成反応や膜タンパク質再構成のプラットフォームとして用いられること,また,がんなどの疾患バイオマーカの検出に応用するための膜融合および核酸増幅反応を行えることを示した.
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