研究課題/領域番号 |
19H02590
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吹留 博一 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (10342841)
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研究分担者 |
保井 晃 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光・イメージング推進室, 主幹研究員 (40455291)
小嗣 真人 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 准教授 (60397990)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オペランド / 時空間X線分光 / 二次元電子 / デバイス / Society 5.0 |
研究実績の概要 |
(研究の目的)「高周波動作する二次元電子系デバイス(2D-FET)の特性は直接にはチャネル電子状態の空間変化に支配されるが、その空間変化が時間と共に 変化することを見逃していたのでは?」という問いを応募者は得た。上記の問いに答えるべく、本研究では、2D-FETのどこの界面の電子状態が、どの時間ドメインで、キャリア輸送特性に影響するのか、その機構を実験的に解明する。具体的には、o-SXSに時間分解能を賦与した時空間オペランドX線分光(o-STXS)を開発し、2D-FETの電子状態の時空間変化を観測する。この観測結果を解析し、2D-FETのどの界面が、どの時間ドメインでキャリア輸送特性に影響するのか、その機構を解明し、2D-FETの高速電気特性を理論限界にまで押し上げるための知見を得ることを目指す。動作している2D-FETの素子機能を担う界面電子状態の時空間変化が、界面構造やフェルミ準位に対してどのように変化するのか、その機構解明および制御を目的として研究を行った。 (概要)本年度は、本研究の基盤の構築を目的として、予備測定したGaN-HEMTをモデル試料として用い、o-STXS観測の妥当性を検証した。その結果、下記の成果が得られた。電圧印加直1)後(<1 マイクロ秒)は、ゲート電極近傍の局所電界集中領域において、表面電子捕獲(SET)が起こることを予備研究で確認済み。この結果の再現性を検証できた。2)ゲート電極から離れるとSETは起こらないと予想された。その検証を行い、予想通りであったことを示し得る結果を得つつある。以上の検証を通して、o-STXSを用いた観測法をある程度構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による影響で、モデル観測試料作製などに遅れが出た。
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今後の研究の推進方策 |
試料の不十分な点は吟味できたので、その点に研究を注力することにより、効率的な研究を展開する。
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