磁性体を用いた不揮発メモリでは、磁性体中の磁化反転において電力が消費されるため、磁化反転過程の低消費電力化が望まれている。本研究では、スピンホール効果を用いた磁化反転を効率的に行うことを狙い、軌道混成を考慮した物質・界面設計指針を得ることを目的とした。結果として、SrIrO3薄膜において大きな非線形スピンホール効果を観測した。第一原理計算により、表面・界面における反転対称性の破れに起因していることを突き止めた。また、Py/Bi2WO6界面ではマイクロ波照射によりPy中で大きな逆スピンホール効果を観測した。この成果は、遷移金属と酸化物イオンの軌道混成が重要な役割を果たしていることを示している。
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