研究課題/領域番号 |
19H02615
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 良太 京都大学, 工学研究科, 助教 (60737047)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フォトルミネッセンス / 窒化物半導体 / ダイヤモンド / 深紫外分光 / 顕微分光 / 極限環境下分光 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,極限環境下における深紫外時空間分解分光法を用いて,超ワイドギャップ半導体において顕著な光学応答を示す励起子の光物性を解明することと,その物性を活用した超ワイドギャップ半導体励起子工学の創成にある.
今年度に行ったことは次の通りである.まず,LEDの駆動温度付近での光物性を調べるために可視領域における高温化顕微フォトルミネッセンス装置を構築し,青色LEDにおいて,高温化では貫通転位は非発光再結合中心として働くことを見出した.今後は本装置を深紫外領域でも使用できるように拡張し,超ワイドギャップ半導体光物性を調べる予定である.次に,CWレーザを用いた深紫外フォトルミネッセンス分光測定により,ナノ多結晶ダイヤモンドからの深紫外発光を初めて観測した.続いて,選択励起条件下・非選択励起条件下で深紫外LEDのフォトルミネッセンスの温度依存性を測定し,LEDの外部量子効率を特徴づけるファクターとして量子障壁層における非発光再結合を考慮することの重要性を見出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
世の中にない評価装置の開発と,高品質超ワイドギャップ半導体を入手できる環境の構築により,新しい実験結果が次々と出始めているところである.一方,磁場下における深紫外分光測定系の構築には当初の想定より時間がかかっており,今後は本測定系の構築を重点的に進めたいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は,極低温化・高温化・応力下・磁場下における深紫外分光法を確立することにより,超ワイドギャップ半導体光物性の解明と深紫外光デバイス応用の促進を目指したものである.
前者3つの測定系の構築は概ね完成したため,これら装置を用いて超ワイドギャップ半導体光物性の解明に取り組む.また,磁場下における深紫外分光法を確立するためには,深紫外高効率ミラー・フィルタ・レンズの開発が必要であり,これら光学素子の開発により磁場下深紫外分光測定系の完成を目指す.
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