研究課題
R3年度は、BaTiO3結晶のみならず多様な材料系において、ブラッグコヒーレントX線回折イメージングにより40nmから1000nmサイズまでのナノ結晶の構造を安定して再構成することが可能となった。局所加熱ヒーターの検討により、一粒子結晶を追跡した温度変化実験が視野に入ってきた。これにより、最小40nm級と200nm級のキューブ状BaTiO3結晶を比較することが可能となり、相転移やドメインのでき方のサイズ依存性を明らかにすることが出来た。基板に単純担持した40nm級結晶一粒子の観測は特質に値し、サイズ効果の解明に資する成果である。また一粒子のドメイン構造を観測できるようになったことで、強誘電体で重要となるドメイン壁の振舞いが詳細に調べられるようになった。実空間拘束条件の高度化では、データに基づく初期サポート推定から始まり逐次サポートを最適化してゆくShrink-wrap法の導入に注力し、回復像の品質向上を達成した。これにより、40nmから1000nmサイズまでのナノ結晶の概形を含む構造を安定して得ることが出来るようになった。情報科学に基づく実空間拘束条件については、最新の動向を踏まえ引き続き検討することとしたい。物性計測については非接触方式で誘電特性の情報が得られるラマン分光を検討した。これまでに500nm級BaTiO3結晶1粒からのラマン散乱の取得には成功したが、温度変化に伴う試料ドリフトの補償が不十分のため結果にばらつきが生じている。自動追尾システムの導入を検討している。ブラッグコヒーレントX線回折イメージングで実施した同一粒子に対し精密構造解析を行うことについては、結晶のtransferに困難があり難航している。引き続き実施する。また、コヒーレントX線散乱プロファイルの詳細な解析により、ドメイン壁の情報を得ることが出来ることが明らかとなった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: 60 ページ: SFFA07~SFFA07
10.35848/1347-4065/ac148b
巻: 60 ページ: SFFA05~SFFA05
10.35848/1347-4065/ac0df7
巻: 60 ページ: SFFA04~SFFA04
10.35848/1347-4065/ac0c6d