ルチル型二酸化ニオブのエピタキシャル薄膜を作製し、その電子・光物性を精査した。作製した二酸化ニオブ薄膜は、単結晶と同等の1080Kで相転移を示した。偏光ラマン散乱分光により、二酸化ニオブの低温相において、ニオブイオンの二量体の振動に対応する3つのフォノンモードが存在することを見出した。また、分光エリプソメトリーの結果から、二酸化ニオブのバンド構造が、二酸化バナジウムのそれに類似していることを明らかにした。ルチル型d1電子系である両物質は、その低温相において、類似した結晶構造・フォノンモード・バンド構造を有する。
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