これまでの研究により、CおよびN原子のK吸収端をカバーする水の窓軟X線(カットオフ~400 eV)が得られている。この軟X線パルスをプローブ光、マルチプレートスペクトルブロードニング法とシングルパス三倍波発生とを組み合わせて得られた20 fsの深紫外光パルスをポンプ光とする、過渡吸収分光装置の開発を行った。同装置の性能評価を行うために、N原子を含むヘテロ環状分子であるピラジンを試料とし、その光化学反応ダイナミクスの観測を試みている途上である。その後は錯体反応や触媒反応、生体分子の反応へと応用範囲を広げていきたいと考えている。
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