研究課題
基盤研究(B)
赤外の高強度光パルスをドライブレーザーとする高次高調波発生により、CおよびN原子のK吸収端をカバーする水の窓軟X線を得た。マイクロフルイディック(微小流体工学)チップを用いて生成した厚さ<1μmの液膜ジェットを液体試料として、水の窓軟Ⅹ線を用いた液相の過渡吸収測定を行うための装置(エネルギー分解能1 eV、時間分解能20 fs)を完成させた。
光量子科学
水由来の背景信号に埋もれた溶質分子からの微かな信号を選択的に検出できる、分子の電子状態や構造の変化を鋭敏に検出できる、といった軟Ⅹ線分光の特徴は反応ダイナミクス研究に大きな革新をもたらす。溶質と溶媒の相互作用(溶媒効果)が化学反応にどのような影響を与えているかを明らかにし、さらには生命科学・環境科学・エネルギー等の幅広い分野に大きな影響を与えることが期待される。