研究課題/領域番号 |
19H02636
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 |
研究代表者 |
俵 毅彦 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主幹研究員 (40393798)
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研究分担者 |
稲葉 智宏 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究員 (90839119)
徐 学俊 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (80593334)
章 国強 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (90402247)
尾身 博雄 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (50257218)
後藤 秀樹 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主席研究員 (10393795)
足立 智 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10221722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 希土類酸化薄膜 / コヒーレント結合 / オンチップ量子光メモリ |
研究実績の概要 |
2019年度は研究項目①167Er:REOの成長とコヒーレンス時間T2の評価、および②Si/167Er:REO/Siのスロット型光導波路の形成と導波特性評価、を並行して行った。 希土類元素の核スピンの存在比率はイオン種により大きく異なる。母体結晶の核スピンモーメントは、Er電子スピンデコヒーレンスの主要因になるため、本研究の対象としては核スピン比率が少なく、Erの4f遷移(1.53um)に対し透明となるCe(核スピン存在比率 0%)、Sm(29%)、Gd(30%)の酸化物の成長を行う(研究項目①)。また研究項目②で対象とするスロット型導波路は、低屈折率層にTM偏光を導波させるものである。FDTDおよびBPM法によりSi/167Er:REO/Siヘテロ構造に対する構造パラメータの最適化を行い、実際に作製された導波路デバイスでの導波特性評価を行う。 ①ではCeおよびGdの酸化物のMBE結晶成長条件を詳細に調べ、高品質な母体結晶をSOI基板上に作成することに成功した。また希薄に添加されたErからの発光特性を調べ、10ミリ秒程度の長いエネルギー緩和時間となることも明らかにした。 ②ではSi/Er添加Gd2O3/Si薄膜結晶を用い、光入出力用グレーティングカプラ、ストッロ導波路構造、およびリング共振器構造の設計および作製を行なった。これにより光導波における各種光損失を見積もるとともに、添加Erイオンの吸収・発光特性を調べ、①のコヒーレンス時間T2の評価の準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目①および②は、当初計画通り2019-2020年度で進める計画である。上述の研究実績は概ね計画通りであり、2020年度に双方の計画を達成する見通しが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
まず研究項目②Si/167Er:REO/Siのスロット型光導波路の形成と導波特性評価において、構造の最適化、導波損失の抑制を行い、非線形光学測定が可能な導波路構造の作製を実現する。 その上で研究項目①167Er:REOの成長とコヒーレンス時間T2の評価として、②で得られたSi/167Er:REO/Siのスロット型光導波路構造を用い、167Erの超微細構造準位間の光学遷移に対し2K前後の低温下でSHBおよびPE測定を行う。周波数および時間領域の両側面からコヒーレンス時間T2の評価を行うとともにパルス断面積の制御条件を得る。この時、バルク167Er:Y2SiO5で実現されているゼロ磁場下での超微細構造サブレベル間のT2 = 100ミリ秒を達成目標とする。
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