• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

放射線環境における伝熱劣化

研究課題

研究課題/領域番号 19H02645
研究機関東京大学

研究代表者

岡本 孝司  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80204030)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード伝熱劣化 / 電子線照射 / 限界熱流束
研究実績の概要

限界熱流束(CHF)が、照射によって劣化する可能性がある。この劣化現象を明らかにするため、CHFに与える様々な因子の中で、本年度は、材料をパラメータとして、実験的検討を実施した。試験ブロックの材料として、アルミニウム、炭素鋼(鉄)、銀、銅の4種類を用いるとともに、電子線照射を行い、CHFの変化を実験的に評価した。電子線は、2MeVの電子線を1mAの強度で照射することで、約100kGy/minの照射強度で照射した。照射時間を変化させることで、照射量を変化させた。照射直後に、試験ブロックを伝熱流動ループに設置し、320kg/m2sの質量流量でCHF実験を行った。なお、水の温度は沸点(100℃)であり、飽和沸騰条件における実験である。また、伝熱面の面積はいずれの材料も30mm x 30mmの矩形面である。

実験の結果、CHF劣化現象が生じる材料(銅)と、あまり相関がない材料(アルミニウム)、CHFが照射によって増加する材料(炭素鋼、銀)の3種類の実験結果が得られた。銅については、過去の実験と同様に、約100~300kGyの照射量を与えるにおいてのみ、劣化現象が見られた。一方、質量流量を160kg/m2sと、従来の半分とした場合は、照射の効果はあまり見られなかった。強制対流沸騰におけるCHFが特定の照射量と質量流量で得られることを確認することができた。
なお、材料の違いは、表面酸化被膜の状況の違いによると想定される。表面酸化被膜がCHFに影響を与えることは知られているが、劣化を起こすメカニズムについては、今後検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナの影響はあったが、予定通りの照射実験を実施することができ、データを取得するとともに、考察を進めることができた

今後の研究の推進方策

伝熱劣化の状態を可視化することを検討している。なお、今年度、電子線照射設備が耐震補強工事のため、ほとんど利用することができないため、代替手段を検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Extended development of a bubble percolation method to predict boiling crisis of flow boiling2021

    • 著者名/発表者名
      Wang Kai、Li Chun-Yen、Pellegrini Marco、Erkan Nejdet、Okamoto Koji
    • 雑誌名

      International Journal of Heat and Mass Transfer

      巻: 165 ページ: 120660~120660

    • DOI

      10.1016/j.ijheatmasstransfer.2020.120660

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Irradiation effects of CHF on bare and porous honeycomb surface in downward-face saturated pool boiling2020

    • 著者名/発表者名
      Wang Kai、Gong Haiguang、Wang Laishun、Erkan Nejdet、Okamoto Koji
    • 雑誌名

      Progress in Nuclear Energy

      巻: 127 ページ: 103444~103444

    • DOI

      10.1016/j.pnucene.2020.103444

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi