研究課題
基盤研究(B)
本研究課題では、光合成反応のうちで最大の謎とされている水分解・酸素発生反応におけるエネルギー論(エナジェティクス)の解明を目的に、水分解の反応部位であるマンガンクラスターや関連する電子伝達分子の酸化還元電位Emの実測に取り組んだ。フーリエ変換赤外(FTIR)分光電気化学計測法を活用することにより、Emを実測し光化学系II内における水分解および電子伝達機構における物理化学的な知見を新たに得て、反応機構の実態を明らかにした。
生物物理化学
本研究課題の成果によって、光合成における水分解及び電子伝達反応のエネルギー論が明らかにされ、反応機構に関して多くの知見が得られた。天然の光合成の反応メカニズムは、人工光合成の実用化の上で有用な手本となるものであり、エネルギー問題・環境問題の解決につながる研究となりうるものである。本研究課題で得られた知見は、人工光合成の実用化に対して物理化学的側面から有用な情報となりうるものであり、学術的意義のみならず、社会的にも意義があるものと考えられる。