空間捕捉された単一微小液滴が微小な光共振器として振る舞うことに注目し,液滴で生じる特徴的な現象であるwhispering gallery mode共鳴や励起光共鳴を利用することによって,液滴に溶存した分子から放出される蛍光を高感度に検出することを目指した。液滴に溶存した分子の振る舞いを観測するには長時間にわたって安定に液滴を空間捕捉する必要がある。これを実現するために,液滴捕捉のためのイオントラップとそれを設置する冷却断熱チャンバーを独自に開発した。また,この装置を用いて捕捉した液滴からの蛍光を観測したところ,既報の装置と比べて蛍光検出感度が約2桁向上していることが分かった。
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