研究課題
基盤研究(B)
元来、光と物質の相互作用は小さい。我々は、これまで金属のナノ構造体を用いて、光を微小な空間に閉じ込め、光と物質の相互作用を増大させることに成功してきた。本研究では、これまでの研究をさらに深化させ、金属ナノ構造と他の光学のモードとの強い相互作用を誘起することにより、光をより長時間微小な空間に閉じ込めることに成功し、少数分子の計測や光反応効率の制御を実現することが可能であることを実験的に明らかにした。
分析化学
持続可能な社会を実現するためには、太陽電池や人工光合成(水素発生)などの太陽光エネルギーの利用が不可欠である。しかし、光と物質の相互作用は小さいため、太陽光のような希薄な光子では、エネルギー変換に利用することは難しい。本研究では、光をある程度の時間蓄える光共振器の性能を向上させることに成功した。本研究期間中に約一桁の増幅に成功し、さらに研究が進んで、あと一桁長い時間閉じ込められれば、太陽光をエネルギーの高い紫外光に変換できる可能性があり、今後の展開が期待される。