研究課題
①キラルポリ(4-メチル-2-メチルオキサゾリン)(PMMO)両末端にテオフィリン(Th)残基が結合させ、その両末端をパラジウム(Pd)に配位してなる環状キラルポリマPdを触媒とする鈴木―宮浦カップリング反応を行い、軸不斉ビフェニル誘導体を得ることを見出した。さらに、②ポリエチレンイミン(PEI)と酒石酸のキラリティーに転写されたキラルSiO2@PEIのPEI部にPdを配位させたSiO2@PEI/Pd固体錯体をキラル触媒とする鈴木―宮浦カップリング反応を行い、一連のbiaryl化合物の軸不斉に起因する光学活性結晶体を得ることに成功した。これらの成果は今論文作成中である。キラルシリカの構造起源を解明するため、③種々のPEIとキラル酒石酸からなる錯体において、DまたはL酒石酸過剰のee4%-ee100%の一連の錯体を作製し、それのキラリティー転写をシリカ、酸化チタンにて検討した。非常におもしろいことに、ee4% (D/L=48/52または48/52)のほぼラセミ体に近い条件であるにも関わらず、その不斉情報が効率的にシリカと酸化チタンに転写することを見出した。すなわち、有機系から無機系へのキラル転写でもマジョリティールールが顕著に機能することがはじめに見いだされた。④特に、酸化チタンの場合、吸収波長が380-400nmに現れることから、その波長におけるCDスペクトルを徹底的に調べ、不斉情報はTi-O結合に由来することが判明した。すなわち、TiO4結合における非対称性(不斉中心がTi)が示唆された。さらに、⑤キラルシリカをテンプレートにし、その上でのスチレン/ジビニルベンゼンなど架橋剤とのラジカル重合を行い、その後HF(aq)でシリカを完全に除去して得られた架橋ポリマーにキラリティーが効率的に転写することを明らかにした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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