研究実績の概要 |
side-on型側鎖型液晶についてその液晶相転移挙動,ポリメタクリレートとのブロック共重合体のミクロ相分離挙動について検討した. スペーサー炭素数nが6, 8, 10, 12のside-on型側鎖型液晶性ポリメタクリレートを原子移動ラジカル重合法で合成した.分子量1万-2万,ガラス転移温度30-45℃,液晶-液体相転移80-90℃であり,液晶種はネマチックのみであった. ポリブチルメタクリレートとのブロック共重合体を合成した.液晶セグメントの体積分率φが50-80%の範囲でミクロ相分離構造を調査した.ミクロ相分離構造の組成および温度依存性は液晶性セグメントのnによって異なった.n = 6, 8では,液晶性セグメントが液晶を形成している温度(液晶温度)において,φ = 50-65%の共重合体がラメラ状ミクロ相分離構造を形成する一方,液晶性セグメントが液体となる温度ではφ = 65%の共重合体は非晶シリンダー/液晶マトリクスのミクロ相分離構造を形成した.n = 10,φ = 65%の共重合体は液晶温度でも非晶シリンダー/液晶マトリクスのミクロ相分離構造となった.n = 12のブロック共重合体ではφ = 45%の共重合体のみラメラ状ミクロ相分離し,他の分率では温度によらず非晶シリンダー/液晶マトリクスのミクロ相分離構造を形成した. ラメラ状ミクロ相分離界面に対する液晶配向がnによって異なることを見出した.n=6, 8では界面に対して液晶が垂直に配向する.n=10, 12では界面に対して液晶が平行に配向した.
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