研究課題
側鎖液晶基モノマーとアモルファス側鎖基モノマーのランダム共重合体を調製することで、液晶基とアモルファス側鎖が主鎖を介して自己集合的に相分離し、側鎖液晶基のスメクチック(Sm)液晶相とアモルファス相が交互に配列したラメラ構造、ヘテロスメクチックラメラ(HSL)構造を形成することを見出した。本年度は、このHSL構造の材料への応用を目指し、以下に示す結果を得た。1)サブ10 nmパターン誘導自己集合(DSA)材料を志向したHSL構造本研究を進める中で、アゾベンゼン(Az)液晶側鎖とシアノビフェニル(CB)液晶側鎖からなる側鎖型液晶ランダム共重合体が、最も高秩序なSm相であるSmE相を発現することを見出している。このSmE相を発現する液晶高分子構造をかご型シルセスキオキサン(POSS)側鎖を持つモノマーの共重合体(P(Az-r-CB-r-POSS))によるHSL構造に適用し、ラメラ平面構造の長距離秩序性の高いHSL構造を達成した。さらに、P(Az-r-CB-r-POSS)薄膜のランダムプレーナー配向および光一軸配向化を誘起し、HSL構造の一軸配向化および透過型電子顕微鏡による直接観察を行った。2)スメクチック液晶性とプロトン伝導性も持つHSL構造Az側鎖モノマーとアクリル酸(AA)の共重合体P(Az-co-AA)は、Az側鎖とカルボン酸側が主鎖を介して相分離したHSL構造を形成する。P(Az-co-AA)薄膜に相対湿度95%、80℃にてプロトン伝導を測定しながら、光照射を行った。P(Az-co-AA)薄膜は、未照射では約104.5 s cm-1、UV照射下では約105.5 s cm-1のプロトン伝導を示し、光照射により可逆的に伝度をスイッチできることを見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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