研究課題
前年度までに、リンクル形成過程のダイナミクスを詳細に評価し、進行波生成に成功している。これは、電場印可時にリンクルが形成する過程で波打つ現象であり、形成過程でのみ振動するといった限定的な現象であった。そこで今年度は、リンクルがすでに形成しているハイドロゲル表面に対して、進行波の生成を誘起することに挑戦した。ゲルの片端から圧縮応力を加えると、ランダム構造であったリンクルは徐々に変形し、圧縮方向に対して、配向した配向リンクルへと転移した。さらに圧縮を続けると配向リンクルは圧縮方向へ波打ちながら進行することがわかった。さらに除荷すると、進行波は逆方向へと移動する様子が観察された。一方向への流れが形成するメカニズムはいまだ不明な点が多いが、ゲル表面のPICとゲルの弾性率のミスマッチによりゲル圧縮によって新たな配向リンクルが形成するため、配向リンクルが形成して進行波が形成する本結果は、前年度までの電気泳動形成時のリンクルの振動の結果と矛盾しない。したがって、わずかな機械的刺激で、進行波を形成しうるハイドロゲル表面の設計指針を得たと考えている。今後、微小材料を水中で一方向へ輸送しうるアクチュエータへと展開する予定である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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