超解像顕微鏡はノーベル賞を受賞するほど広く認知された技術であるが、観察対象は生物系試料が大半であり、物性研究に応用された例は少ない。これまでは溶媒を水とする試料で観察されており、疎水的な有機溶媒や液晶を溶媒とする試料の観察は報告されていない。本研究は疎水性液晶にも溶解する蛍光色素のブリンキングを活用して超解像顕微鏡観察を行っており、超解像顕微鏡の活躍の場を広げる点で学術的意義は大きい。材料開発の観点からは、標準的な試料から高分子濃度を半分近くに低減しても低温まで安定な高分子安定化ブルー相を実現し、その駆動電圧は従来よりも29%低減されており、社会の期待に応える材料開発が実現できたと考えている。
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