研究課題
基盤研究(B)
高分子液体・溶液に分散したプローブ粒子の熱運動を解析し、密度揺らぎと不均一性の可視化を検討した。観測時間が緩和時間よりも短い場合、系の物性は空間的に不均一であることを確認した。また、ネットワークの形成・固化プロセスは、不均一性の程度ならびにその長さスケールの変化を伴って進行することを明らかにした。さらには、このような不均一性は、最終的な材料の応力分布、靭性や破壊挙動に影響を与えることを明らかにした。
高分子科学、超分子化学
高分子ネットワークは樹脂やゴム、ゲル等の様々な材料にみられる構造であり、シーリング材、接着剤、構造材料等として広く用いられている。安全性や信頼性の確保・向上に向けて、材料の靭性や寿命の予測・制御が強く求められているが、それには至っていないのが現状である。本研究で得られた不均一性と応力分布、延性・破壊挙動に関する科学的知見は、力学特性や破壊挙動の制御、寿命予測に資するものと期待される。