研究課題
本研究では、有機半導体高分子を用いて電子移動度10 cm2 V-1 s-1を超えるトランジスタ特性を実現することを目標としている。ベンゾビスチアジアゾール(BBT)や窒素が置換したBBT誘導体であるチアジアゾロベンゾトリアゾール(SN)を基本骨格として、ナフタレンジイミド(NDI)や縮環オリゴフェニレンビニレン(OPV)誘導体と共重合することで平面性が高い共役主鎖骨格の構造を決定した。モデルオリゴマーを用いて、SN骨格を用いることで深いLUMO準位と耐久性に優れたn型有機トランジスタが創製できることを明らかにした。さらに、側鎖アルキル基を調節することで高分子鎖の基板上での配向を制御することに成功した。さらなる高分子量化と溶解性の向上を目指し、多分岐アルキル鎖の合成を試み、SNやNDIなどのsp3窒素に置換する方法論を試験した。長鎖アルキル鎖や分岐度が高いアルキル鎖を置換した方が一般的に共役高分子の有機溶媒への溶解性は向上した。また、薄膜トランジスタの評価において少量添加物によるドーピングの効果について検証した。テトラブチルアンモニウム塩などを加えるとp型またはアンバイポーラ型共役高分子の結晶性が向上し、トランジスタにおける移動度が改善することができた。有機半導体と電極の界面を詳細に調査したところ、テトラブチルアンモニウム塩の添加によって接触抵抗が大幅に減少することを明らかにした。また、テトラブチルアンモニウム塩の添加量には最適値があることも実証した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Beilstein J. Nanotechnol.
巻: 14 ページ: 454-466
10.3762/bjnano.14.36
Chin. J. Chem.
巻: 41 ページ: 1028-1036
10.1002/cjoc.202200678
Polym. J.
巻: 55 ページ: 427-432
10.1038/s41428-022-00714-z
Polym. Chem.
巻: 14 ページ: 印刷中
10.1039/D3PY00168G
Macromol. Chem. Phys.
巻: 223 ページ: 2100370
10.1002/macp.202100370
Chem. Asian J.
巻: 17 ページ: e202200768
10.1002/asia.202200768
J. Org. Chem.
巻: 87 ページ: 9384-9390
10.1021/acs.joc.2c00511
Chem. Mater.
巻: 34 ページ: 3140-3151
10.1021/acs.chemmater.1c04258
Mater. Chem. Phys.
巻: 281 ページ: 125861
10.1016/j.matchemphys.2022.125861
J. Mater. Chem. C
巻: 10 ページ: 346-359
10.1039/D1TC04948H
http://www.op.titech.ac.jp/lab/michinobu/jp/index.html