円偏光発光は左と右円偏光発光強度に差がある発光現象である。有機分子は官能基付与が容易であることから物性を柔軟に設計できる利点があり、本研究で高輝度かつ高異方性で円偏光発光する有機材料を創出できたことは大変意義がある。本研究で明らかにした分子の配向と円偏光発光挙動の相関解明により、その設計指針を示せたことも学術的かつ社会的意義がある。さらに本研究では有機分子の骸晶形成精密制御に世界で初めて成功した。骸晶は雪やBiの結晶など自然界にも見られるが、サイズ・形・結晶成長方向制御は極めて困難である。構造が明確かつ官能基変換が容易な有機分子でこれをなし得た事は、今後様々な応用展開を図る上で非常に意義深い。
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