研究課題
本研究は、太陽光を用いた人工光合成に用いる半導体光触媒に超高速分光ならびに単一分子分光を適用することで、ナノスケールの不均一界面でおこっている物質間相互作用や化学反応を解明し、構成要素ならびに構造最適化することを目的としている。本年度は以下の研究を行った。(1)水中の汚染物質の除去においても光触媒の適用が有効であることが知られているが、その触媒活性は結晶面に大きく依存することが知られている。本研究ではAg3PO4によるciprofloxacin (CIP)、sulfamethoxazole (SMX)、 tetracycline (TC)分解反応の検討を結晶面に注目することで行った。{111}facetを特徴とするAg3PO4は{100}にくらべCIP分解において1.83倍の高活性を示すことを確認した。フェムト秒拡散反射測定からは電荷再結合過程が結晶面に依存して変化することが確認されたことから、電荷寿命の長さが分解反応速度を左右することが確認された。(2) Photoelectrocatalysis (PEC)反応の高効率化を目指し、優れたPEC特性を示すself-interspersed porous nanoplates assembled WO3 (s-i-WO3)の調整し、その反応性の検討を行った。Bisphenol A (BPA)の分解反応において、PEC系では93.7%の分解収率が確認され、この値は光触媒反応(22.0%)および電気触媒反応(43.8%)の値より、著しく高いものであることを確認した。この高い触媒活性は二次元多孔質構造に起因していると考えられ、また、光照射により生成した電子・正孔ペアの分離移動過程が効率的であることを示している。さらにhydroxy radicalが本反応系では主要な活性酸素種であることが示された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
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