研究課題
基盤研究(B)
還元安定性に優れた電解質溶液を用いることで、被膜形成のない環境下で金属リチウムの電析を行い、立方体状に形状の制御されたリチウム金属の電析が可能であることを見出した。さらに、基板に真空蒸着によってリチウム金属薄膜を形成することによって、析出するリチウムの基板への密着性が向上し、緻密で平滑なリチウム金属の析出が可能であることを見出した。さらに、各種金属薄膜を検討した結果、マグネシウム金属を蒸着した場合に、基板面内方向への結晶成長が著しく促進され、緻密で均一かつ平滑なLi金属の電析を実現した。
化学
本研究で検討を行ったリチウム金属電析は、金属負極の本質的な課題である、全く同じ形状に繰り返し溶解・析出する反応を実現するための基礎的な検討である。今回の検討で、基板とリチウムとの密着性を向上することにより、緻密かつ平滑なリチウム金属電析が可能であることを確認した。今後、基板とリチウムとの密着性を定量的に比較することで、溶解析出反応を蓄電池に利用するための材料設計の指針を明らかにする予定である。