研究課題/領域番号 |
19H02820
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 岡山大学 (2021-2022) 豊田工業大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山方 啓 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (60321915)
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研究分担者 |
酒多 喜久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40211263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 光触媒 / 光励起キャリアダイナミクス / 再結合 / 時間分解分光計測 / 水分解光触媒 / 可視光応答型光触媒 |
研究成果の概要 |
これまで光触媒粉末に存在する欠陥は光触媒活性を低下させる最大の原因だと考えられてきた。しかし、つい最近、申請者によって欠陥は再結合を抑制し活性向上に役立つ場合があることが明らかにされていた。しかし、どのような場合に活性が向上し、どのような場合に活性が低下するのか、この違いが分かっていなかった。そこで本研究では独自の時間分解分光システムを使い様々な材料について調べた。その結果、酸素欠陥が集合しやすい非量論酸化物の場合、再結合速度は加速されやすく、酸素欠陥ができにくくまばらに存在する場合、再結合は遅くなる傾向にあることを見いだした。つまり、欠陥の空間的な分布の違いで説明できることを見いだした。
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自由記述の分野 |
表面分光学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光触媒を用いると太陽エネルギーを使って水から水素を製造できる。太陽電池を使った水の電気分解に比べてこの方法の優れたところは、光触媒の方が太陽電池よりも製造コストが安いため、より安価に水素を製造できることにある。しかし、粉末の表面には欠陥が多数存在し、これらの欠陥は光励起キャリアを捕捉し、再結合を促進するので、光触媒活性を低下させる最大の原因であると考えられてきた。しかし、申請者のこれまでの研究により、表面欠陥はむしろ光触媒活性の向上に役立つ場合があることが分かった。そこで、この原理を積極的に利用し、従来の“定説”とは逆に欠陥を有効に利用するところに本研究の学術的な意義がある。
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