研究課題
基盤研究(B)
電池の動作機構を分子レベルで明らかにするため、電池とその構成物質の時空間分解オペランド計測を可能とする非線形ラマンシュタルク分光法の開発を行った。近赤外域の白色レーザーを光源としたマルチプレックス非線形ラマン顕微鏡を新たに構築し、n-ヘキサデカンを試料として10-30 kV/cmの電場を印加したときのC-H伸縮振動の非線形ラマン信号変化を観測することができた。
分子分光学
本研究で開発した手法を応用することにより、電池構成物質の電場応答を高空間分解能でオペランド解析することが可能となる。電場が電池機能に及ぼす影響を、電池の不均一構造と関連づけながら明らかにできるだけでなく、従来法では空間平均により明らかにされなかった新現象の発見につながる可能性も秘めているため、電池の技術革新およびエネルギー関連分野の発展に基礎科学の面から貢献できると期待される。