研究課題/領域番号 |
19H02832
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄太 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (00827743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | タンパク質工学 / タンパク質デザイン / タンパク質結晶 / バイオマテリアル / 自己集合 |
研究実績の概要 |
本研究は、必要な時、必要な機能を自発的に発動する「バイオナノロボット」の作製を将来的な目標とし、そのパーツとなる機能性を有したタンパク質集合体「バイオナノマシン」の創成を目的としている。また、バイオナノロボットの構築を目指した際に必要となる新規コネクターの作製(自在に複数のものを接続するためのコネクター)も平行し推進する。別々の機能を有するバイオナノマシンの接続を可能とすることで、さらなる高機能化を目指した研究へと展開する。本研究計画では具体的に、以下の3項目の研究を推進している。 目的①複数の外部刺激に応答する機能性ワイヤーおよび二次元マテリアルの作製:昨年度にて作製した集合体形成タンパク質パーツを用い、集合体形成の検討をおこなった。しかしながら、当初想定していた集合体の形成が確認できなかったことから、遺伝子組み替えによりタンパク質パーツへの改変を行い、集合体の形成を試みた。初期検討にて集合体形成の傾向が見られたことから、詳細な構造解析を電子顕微鏡などを用い検討をスタートした。 目的②筋肉を模倣したタンパク質集合体形成:昨年に引き続き、集合体形成が確認されたタンパク質集合体形成パーツへ、機能となるタンパク質の融合を試みた。融合タンパク質の大腸菌による発現系の確立、タンパク質精製を行ったのち、融合タンパク質を取り入れた集合体形成の検討を行った。機能を取り入れた融合タンパク質を用いた場合、集合体の形成がうまく促進されなかったことから、タンパク質への改変およびコンディションの条件検討を行った。 目的③ヘテロ二量体コネクターの作製とその使用(目的①と②の融合):今年度は必要となるタンパク質パーツの遺伝子作製・大腸菌による発現系の確立・タンパク質精製をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度4月に、研究に必要となるスペースを改めて確保できたことから研究室の移動に伴い、2019年度同様、実験環境の整備・実験設備の移設、新たな研究機器の導入などを行う必要があった。また、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言などに伴い、作製したタンパク質集合体の構造解析を実施できない期間が生じてしまった。当初、大阪大学タンパク質研究所フェローとして大阪大学にて構造解析を行う予定であったが、所属(京都大学)にて研究環境を整える必要が生じ、研究の遅れに繋がってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
①及び②においては引き続き集合体形成の条件検討を行い、機能性を取り入れたタンパク質集合体の構築を行う。また、③においては精製したタンパク質を獲得したのち、ヘテロ二量体タンパク質による集合体の形成の検討を推進する。
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