タンパク質の近傍空間を化学構造体により取り囲む、すなわち空間的な修飾を施すアプローチにより、内部に包接したタンパク質を安定化。通常では変性してしまう条件下でも、安定した保存を可能とする方法論開発を行った。モデルタンパク質と してクチナーゼ様タンパク質を用いその安定化効果を検討したところ、熱、変性剤、有機溶剤に対して著しい安定化が得られた。特に有機溶剤に対しては1000倍を超える安定化効果が得られた。また部分的に変性してしまったタンパク質も、凝集等が生じることもなく、有機溶剤濃度を低下させれば再びリフォールディングが生じた。すなわち同手法により、新しいタンパク質の安定化法の概念提唱に成功した。
|