低酸素誘導因子HIFsはがんの分子標的として期待されているが、未だ上市された薬剤はない。HIFsの中でもHIF-1に関する知見に比較して特異的阻害剤が乏しいHIF-2に関するがん細胞の悪性化(増殖・浸潤・転移など)における意義の未解明などもその要因の一つである。HIF-2機能阻害物質の探索を行い、希少天然物saccharothriolide (STL)類を見出し構造活性相関研究及び薬効評価を行った。STLs類の類縁化合物検出のための高感度検出プローブを開発し、希少放線菌Saccharothrix sp. A1506株が生産するpreSTL-Zを同定し、化学的全合成を達成し構造を確定した。
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