研究課題
野生型ビタミン受容体(VDR)あるいは変異型VDR(R270L)、VDR(H301Q)、あるいはVDR(R270L)/(H301Q)をもつラット、VDR遺伝子欠損(VDR-KO)ラットの性状を比較し、骨形成、毛包形成等に対するビタミンDおよびビタミンD受容体の作用について詳細に解析した。新たに作製した遺伝子改変ラットVDR(H301Q)、VDR(R270L)/(H301Q)においても血中カルシウム濃度の低下とPTHの上昇、骨形成異常が見られたが、脱毛は観察されなかった。VDR-KOラットにのみ脱毛症が見られ、リガンド結合能を欠失したVDR(R270L)/(H301Q)においても脱毛がみられなかった結果はリガンド非結合型VDRが毛包形成に必要であることを意味しており、ビタミンDおよびビタミンD受容体の生理作用の解明において、きわめて重要な知見である。また、ラットCYP27B1あるいはラットVDRを発現するアデノウイルスベクターを作製し、それぞれの遺伝子欠損ラットに投与してその効果を調べた。背部の毛を剃ったVDR-KOラットにVDR発現アデノウイルスベクターを皮内投与したところ、顕著な発毛促進が見られ、II型くる病患者の脱毛症に遺伝子治療が有効である可能性が示唆された。また、CYP27B1欠損ラットにCYP27B1発現アデノウイルスベクターを尾静脈投与したところ、肝臓においてCYP27B1の発現が観察され、血中の活性型ビタミンDおよびカルシウム濃度の上昇が認められた。しかし、その効果は1週間程度にとどまり、今後はアデノウイルスベクターを用いたゲノム編集による恒久的治療を試みる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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