MA026は上皮のバリア構造であるタイトジャンクション(TJ)を可逆的に開口する天然物である。本研究では生産菌の生合成遺伝子解析、及び全合成から天然型MA026の平面構造を確定するとともに構造活性相関検討を行った。さらに結晶構造から立体構造を明らかにし、親水性と疎水性の両親媒性の表面を有すること、TJ開口には疎水面のアミノ酸クラスターが重要であることを見出した。また、本物質がclaudin-1のVFDSLL配列と結合特異性が高い一方で、claudin-3,4といった腸管で発現するclaudinのVFDSLL相同配列とも結合することが示され、経口の物質透過促進剤になる可能性が示唆された。
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