研究課題
小腸刷子細胞は、アレルギー性疾患や寄生虫感染に対する2型免疫応答の始動において、センサーとして重要な働きをする。例えば、原虫が分泌するコハク酸は刷子細胞に発現するGPR91受容体に受容され、2型自然免疫応答が始動することが報告されている(Nadjsombati et al., 2018)。本研究では、小腸刷子細胞の頂端部に局在することを研究代表者自らが発見したオーファン受容体Gprc5cの生理機能を解明し、アレルギー性疾患や肥満・糖尿病の予防や治療に繋げることを目的とする。野生型(WT)及びGprc5c受容体欠損(KO)マウスにおいて、小腸粘膜固有層(SI LP)に存在するILC2(PI-、Lineage-、CD45+、PE+、Sca-1+)の細胞数をFACSを用いて測定した。さらに、100 mMコハク酸を4日間投与し、2型自然免疫応答が亢進した状態においても同様の方法で比較解析した。その結果、通常飼育下では、WTとKOマウス間でILC2の細胞数に有意差はなかった。一方で、コハク酸投与下においては、KOマウスは WTマウスよりILC2の細胞数が多かった。以上より、炎症時においてGprc5c受容体は 2型自然免疫応答を抑制することが示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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