微生物は自然界において、温度、凍結、乾燥、化学物質、浸透圧、pH、低栄養、異常タンパク質蓄積など、多様なストレスに曝されている。このようなストレスや環境の変化に対して、微生物は遺伝子発現、タンパク質間相互作用、酵素活性、代謝経路などを制御することで、巧みに適応している。しかし、発酵食品、バイオ燃料、アミノ酸、酵素など、有用物質を工業的に大量生産させる過程では、細胞の増殖が阻害され、死に至るような環境変化に曝されることがありえる。本研究では、環境変化に対する応答機構を解明して、工業的に有利な環境耐性を備えた微生物の創出を目指そうとする点に学術的意義と社会的意義がある。
|