NGLY1は細胞質で糖タンパク質からN型糖鎖を除去する酵素である。その変異は全身性の重篤な疾患NGLY1欠損症を引き起こし、Ngly1-KOマウスは胚性致死となる。私達は、ユビキチンリガーゼの糖鎖認識サブユニットFbs2を同時に欠損させると、Ngly1-KOマウスの胚性致死性を回避し正常に生育することを見出した。NGLY1-KO細胞においても、Fbs2の発現は細胞死を引き起こした。Fbs2によりユビキチン化された糖タンパク質型転写因子Nrf1は細胞質に蓄積し、プロテアソームの転写誘導活性を失うだけではなく、さらにプロテアソームの機能不全を誘導し、細胞死の原因となることを明らかにした。
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