研究課題
本年度は、これまでのRNA-seq解析やGWAS解析の結果からトウジンビエの環境ストレス耐性機構に関与する可能性があると考えられた遺伝子について、それらの機能を明らかにするための解析を行なった。1)植物固有の転写因子であるDOF転写因子(PgDOFs)に関して、網羅的な解析を行なった。トウジンビエゲノムには12個のPgDOF遺伝子があり、それぞれが環境ストレスに応答して発現が変化し、遺伝子発現は葉で上昇し根で減少する傾向があった。2)トウジンビエのデヒドリン遺伝子(PgDHNs)をクローニングし解析した。PgDHN遺伝子は環境ストレスに応答して発現が上昇し、遺伝子を導入した酵母やシロイヌナズナの環境ストレス耐性を強化することがわかった。3)塩処理により発現が誘導される2つのWRKY転写因子遺伝子について解析した。これらはW-boxに結合することが確かめられ、相同遺伝子を欠失したシロイヌナズナ変異体は特有の表現型を示した。4)GWAS解析によって種子重との関連が示唆されたポリガラクチュロナーゼ遺伝子;ファミリー(PgPGs)について解析した。PgPGsは3つのクラスターに分類され、約65%が分泌タンパク質であると予想された。またファミリーに属するPgPGX3の相同遺伝子であるAtPGX3を欠失したシロイヌナズナ変異体では子葉の形態が異常になり、根長とロゼット葉の径長が減少することから、PGX3は細胞壁の構造に関わることで器官の大きさや植物の形態に関与することが示された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant Gene
巻: 27 ページ: 100313~100313
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BMC Genomics
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