(1)タイヌビエ抵抗性系統から高分子DNAを抽出し、Sequel IIのhifiリードを用いてゲノムをシーケンスした。得られた約70xのリードについて、複数のアセンブラでアセンブルを試みた。最も良好な結果の得られたHifiasmによるアセンブルを採用した。得られたアセンブルは連続性の高い良好なものではあるが、改善の余地がある。今後、ddRAD-seqマーカーを用いた連鎖地図などの情報を利用し、染色体レベルのアセンブルを試みる。また候補遺伝子の同定に向け、アノテーションについても実施する必要がある。 (2)新規にアセンブルしたゲノムに昨年実施したddRAD-seqのリードをマッピングし、再度GWASを行った。従来のドラフトゲノム(Ye et al. 2020 Mol Plant)では候補領域が2つのコンティグにまたがる形になったが、本ゲノムでは1領域が検出され、抵抗性が1遺伝子支配であることを支持するものとなった。なお、本結果は、昨年の連鎖地図を用いたQTL解析の結果とも一致した。 (3)ddRAD-seqで決定したF5世代約120個体の遺伝子型を解析し、候補領域についてヘテロ接合型の系統を1つ選抜した。昨年度、感受性系統について実施したリシーケンスのリードをゲノムにマッピングし、本領域の系統間の多型を検出した。これを元に候補領域の両末端にCAPSマーカーを設計した。F6世代268個体について、除草剤感受性を判定するとともに、CAPSマーカーで遺伝子型を判定した。組換え個体を24個体選抜し、それぞれについて自殖種子を得た。今後これらの個体について遺伝子型を解析することで、抵抗性の原因遺伝子座の同定が大きく進展することが期待される。
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